プライドなど何も生み出さない

今日、友人の転職活動が終わりを向かえた。彼の素晴らしい能力を最大限活かすことができてなおかつ給料も良いという最高の職場と巡り合うことができたそうだ。
彼の就職活動は順風満帆というわけではなかった。彼は実務経験は無かったが能力はあり、その能力を過信して面接で何回も面接官に怒られたらしい。しかし最初のうちはその理由がわからず、合計で10社以上の会社から「No」をつきつけられてから初めて自分の方針が間違っていたことに気づく。
かくして我が家で2泊3日の就活合宿が始まった。最初に手をつけたのは履歴書。カタカナ語や歪曲表現のオンパレードで「なんじゃこりゃああ」と全部を書き直し。職務経歴書も何がなんだか分からないので書き直し。転職コンサルタントにも電話で手伝ってもらい3,4人がかりでレジュメを修正。2日後には「これ俺が使いたいわ・・・」と思うくらい素晴らしいものに変わっていた。
それから彼の転職活動は大きな転機を迎える。面接で書類について突っ込まれることはなく、面接官との意思疎通もバッチリ。あちこちで二次三次と面接が通り、今日の結果に繋がることになった。
「人のことばかりかまって、お前の転職活動はどうなってるんだ?」と思われるだろう。実はこの一連の流れで一番助けられたのは自分自身だったりする。彼の姿を見て、自分もまた履歴書、職務経歴書を修正していった。結果として最近まで停滞気味だった転職活動が一気に加速したのだ。
彼に教わったのは「プライドを捨てる」ことだった。
プライドを捨てることで一番得をすることは「相手に対して話ができる」ことだ。プライドのある人は「○○という経験があります」「○○をさせてください」と自分のことしか話さない。そんな人を企業がこの人を採るわけがないのだ。逆に、プライドを捨て去った人は「私の○○という能力が御社に役に立つと思います」といった会話の成り立つアピールをする。若干自分を下に置くわけだ。その後に「何がしたいか?」と聞かれ初めて「○○がしたい」と言う。これは好感度が高いし、「この人はウチの会社に貢献してくれる」と判断してもらえる。
恥ずかしい話、俺もあの合宿が無ければ今のように面接がスイスイと通るようにはなっていなかったと思う。問題を指摘してあげた人に逆に助けられるというのはなんとも皮肉なものである。